電力コラムCOLUMN

電気で認知症の人を見守る!こんな便利なサービスや商品があります
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【目次】

  1. 電柱に設置されたセンサーで見守り
  2. 自宅にある電気ポットが見守り
  3. まとめ…そのほかにもGPSなどさまざまなサービスや商品が!

 

みなさんもご存知の通り、私たちの国では高齢化が進んでいます。内閣府の調査によりますと、総人口に対する65歳以上の方の割合は、なんと27.7%になっています。
日本人の平均寿命が、女性が87.26歳、男性が81.09歳となっているのをみると、それも頷けます。
今や長寿国である日本、老後のことが心配になりますね。

心配ごとといえば「認知症」も、そのうちのひとつに挙げられます。
元気で長生きすることが一番ですが、どうしても年齢を重ねていく中で、脳の働きが悪くなったり、細胞が死滅したり…仕方のないことかもしれません。
でももし自分が、あるいは家族が認知症になってしまったら?不安になりますよね。症状が進行し、徘徊するようになってしまうと、事故に遭うかもしれませんし、帰る場所が分からなくなって犯罪に巻き込まれてしまう可能性もあります。

そんな中、近年では、認知症の人を見守るためのさまざまなサービスや商品が増えています。
今回は「電気で認知症の人を見守る」というテーマで、いくつかご紹介していきます。

電柱に設置されたセンサーで見守り

警察庁が発表しているデータによりますと、認知症の症状によって自宅を出てしまい、そのまま行方不明になるという人が年々増加しています。
認知症による行方不明者は、2012年に約9600人、2017年には15,000人まで増加しています。
もちろん、高齢者向けの福祉施設が街にはたくさんあり、デイサービスの車などを街中で見かけない日はありません。ですが、福祉業界では全国的に働き手が足りず、深刻な問題として新聞やテレビでも長年報道されています。たくさんあるように見える福祉移設ですが、実際は施設も人材も不足している状況なのです。今の日本では、高齢者を見守る体制は万全ではないのかもしれません。

そんな中、自動車用セキュリティ機器のメーカー「加藤電機」と中部電力が協同で、認知症で徘徊している高齢者の見守りサービスの実証実験を2018年に開始しました。
加藤電機が開発した発信器を高齢者が身に付け、電柱に設置したセンサーを利用して、認知症の人がどこにいるのか把握するというものです。
発信器は靴などに収納できるため、高齢者の負担なく、見守ることが可能です。

ちなみに、この実験を行っている愛知県半田市では、すでに見守り事業として発信器の貸与を数年前から開始しており、実際に行方不明者の発見につながったケースがあるそうです。これからどんどん広がっていくと、認知症高齢者が事故や犯罪に巻き込まれることも少なくなりますね。

自宅にある電気ポットが見守り

認知症のご家族がおられるご家庭であれば、外出中や仕事中、自宅でいつ何が起きるかと心配に思われているのではないでしょうか。
象印マホービンから販売されている電気ポットに「i ポット」というものがあります。
このポットは、見た目は普通の電気ポットながら、電源を入れたときや給湯するタイミングで内蔵している無線通信機から信号を発信し、登録されているメールアドレスに使用状況を伝えることができるというものです。
この電気ポットから信号が発信されたときに、自宅にいるご家族が電気ポットを使用したのだと分かります。しかし信号が発信されなくなったら、何らかの異変が起きた可能性がありますから、すぐに駆け付けることができます。
この発信器は、電気ポットの外側からは見えないようになっています。そのためセンサーを気にされる方には、とても良い商品だといえるでしょう。
通常使用する電気ポットをこの「i ポット」に変えるだけで、見守りを行うことができますので、認知症のご家族だけではなく、高齢者世帯のご家庭に1台置いておけば安心できますね。

まとめ…そのほかにもGPSなどさまざまなサービスや商品が!

そのほかにも見守りサービスや商品はたくさんあります。
最近では高齢者に小さな発信器を付けて、GPSで見守りを行うというサービスを提供している自治体も増えてきています。
また一般企業においても、さまざまな見守りグッズが販売されています。
自治体の福祉課にて提供している場合もありますので、気になる人は一度問い合わせてみてはいかがでしょうか。