電力コラムCOLUMN

ご当地電力について
follow us in feedly ネオコーポレーション 電力コラムのRSSフィード

ご当地電力とは?

「地域で電力を生み出して、その地域の活性化につなげようとする動き」のことを、「ご当地電力」と呼びます。また、電力以外を生産する活動も含めて、「ご当地エネルギー」と表現する場合も多いです。

ご当地電力のメリット

1:送電ロスの軽減

「電気を作るところ」と「その電気を利用するところ」が離れていればいるほど、送電ロス(消滅する電力)が多くなります。
ですがご当地電力の場合、「生産地」と「消費する場所」が近いですから、送電ロスが少なくて済みます。

2:地域住民が関わりやすくなる

一例として「福島原子力発電所」は福島県で電気を生み出し、遠く離れた東京に送電していました。
この構造においては、東京の電力会社が利益の大半を得ていました。

また、一般層は、「設定された価格で電気を購入すること」しかできません。
自分たちで電気などのエネルギーを作ったり、関連ビジネスに参入したりすることは叶いませんでした。

ですが、ご当地電力であれば、
「地域で小規模な発電所を作り、エネルギーを生み出し、それを自分たちで保有・消費する」ということができますから、地域住民・地域企業も関わりやすくなります。
そして、その地域で「利益」を多く得ることが可能です。

このように、「大量消費するエリア(東京など)に握られていたエネルギー関連の主導権を、徐々に地域のものにしていくこと」こそが、ご当地電力の本質であると言えるでしょう。
また、都会でも、「消費するのみだった生活を改めて、少しでも自力で発電したい」という発想から、行動を起こしている人が少なくありません。

3:資源コストが低い

ご当地電力は、基本的に「風力」や「太陽光」などのコストが低い資源で生み出します。

また、「ゴミを燃やす際に発生する熱」などを活用して電気を作っている事例もあります。
こちらに関しては、「本来無駄になるエネルギーを、有効に使っている」と言えるでしょう。

ご当地電力のデメリットや課題

1:必ずしもプロフェッショナルが関わるわけではない

「ご当地電力関連の活動」の多くを、「それまで電力に関わった経験がほとんどない人」が担うことになります。
そのため安定感に欠ける側面があることを否定できません。

2:コストがかかる

先ほどお伝えした通り、「資源コスト」は低いです。

ですがその資源を使うための「発電設備」を作る必要があり、それには大きなコストがかかる可能性があります。

そして「発電設備が完成しても、その設備に対する電力需要は少ない」という状況になれば、コストパフォーマンスは低くなります。
※「大規模発電設備が大量に電気を作り、多くの家庭に電力を供給する」という構造には課題もありますが、コストパフォーマンスは間違いなく高いです。

3:すぐに成果が出るわけではない

ご当地電力関連の活動が盛んになっても、すぐに「国内エネルギーの○パーセントをカバーできる」などといった状況にはなりません。

すると、先述のコストパフォーマンスが低くなりやすいという事情も相まって、
「今取り組んでいる自分たちのメリットにはなりにくいため、活動する意義を見出せない」という感情になってもおかしくありません。

それまでの仕事をやめてまでご当地電力に力を注いでいる人もいますが、そういった「善意」だけに頼って進めていく事には限界があると言えるでしょう。
つまり、「『具体的な利益』などの形によっても、活動全体のモチベーションを維持する必要がある」という事でもあるのです。

自宅で発電するための主な方法|自然エネルギーの導入

広義では「自宅で発電して、その電気を自宅で使う」ことも、ご当地電力的な活動の一環であると言えるでしょう。
そのための具体的な方法をいくつか挙げていきます。

太陽光発電システム

特に戸建てであれば、比較的簡単に太陽光発電システムを導入することが可能です。
太陽光発電システムには「エネルギー変換効率が低い」というデメリットがありますが、それでも改良が進められていることは確かです。

風力発電用ブレード

産業用風力発電のブレード(羽)のサイズは100メートル程度です。
ですが、一般家庭向けの1メートル前後のブレードも販売されています。

ただ、鳥や人がブレードに接触することのない位置に設置しなければなりません。
また、家庭用風力発電の場合、強風時でも数十ワットレベルの電力しか生み出せませんから、「非常灯」などの電力消費が少ない機器のために利用することをおすすめします。

マイクロ小水力発電

用水路や小川の流れを活用した「小規模な水力発電」です。
簡単に機器を設置することができ、発電効率においても優れています。

ですが、水関係の利権が複雑で、国の承認も必要ですから、普及率は高くありません。
また、枯葉や木の枝などが流れてきますから、定期的に清掃をしなければなりません。
そして、大雨の影響で破損してしまう可能性があります。