電力コラムCOLUMN

温度差熱利用による発電の仕組みと特徴について
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温度差エネルギーは、地下水、河川水、海水、下水などの水源を熱源としたエネルギーです。温度差エネルギーの利用の代表的な技術としてヒートポンプがあります。水が持つ熱を、ヒートポンプを用いて利用したものが温度差熱利用です。温度差熱利用は冷暖房などの地域熱供給源として広まりつつあります。年間を通して温度変化が小さく、天候に左右されることなく安定的にエネルギーを得られることが、温度差エネルギーの最大のメリットといえるでしょう。
ヒートポンプは冷媒を圧縮機で加圧することで高温ガスにし、空気や水と接触させることにより熱を放出して、暖房や給湯などに利用します。熱を放出した冷媒は液体となり、膨張弁で減圧されることにより低温そして低圧となります。この冷媒は再度空気や水に接触し、熱を吸収して気体になり、圧縮機で加圧されて循環利用されます。この作用を逆にして、冷媒に熱を吸収させることで冷房や冷蔵に利用できるのです。

海洋温度差発電というものも、温度差エネルギーの利用技術です。これは表層温水と深層冷水の温度差を利用して発電する方法です。海水表面の水温と、水面下の深層水の温度差を利用して熱媒体の膨張圧力で発電するのです。
海洋温度差発電は、海洋表面の温水を蒸発器に運び、蒸発器でフロンやアンモニアなどの沸点の低い物質を液体から気体に変化させ、膨張する時の圧力でタービンを回転させることにより発電します。タービンから廃棄される沸点の低い物質は凝縮器で冷却され、液体に戻してから再度蒸発器に送り込みます。この海洋温度差発電の仕組みは、クローズドサイクルと呼ばれています。

システム上、燃料を燃やす必要がないため、クリーンなエネルギーであり、環境への貢献度も高い発電方法といえます。しかし、日本では温度差熱を利用したヒートポンプによる地域冷暖房や給湯は、1990年代後半以降はあまり発展していません。既存の街区への導入が困難であることや、建設工事の規模が大きいためにイニシャルコストが高くなることが原因です。そのため、地域熱供給システムの開発には、機器や施工の低コスト化や高効率化、高耐久化が必要になります。温度差エネルギーは寒冷地の融雪用熱源や温室栽培などでも利用でき、多彩な活用分野を誇る優秀なものですので、今後の発展がますます期待されています。